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福祉の窓 (法律家に弱い福祉事務所) 私たちは、車を運転している時に、パトカーが近づいてくると、一瞬、ドキッとしますよね。 別に何も違反していなければ、怖がる必要がないのですが、日頃、交通規則を100%守って運転しているとは思っていないので、ついつい警戒感が出てしまいます。 これと同じ図式が福祉事務所と法律家の間に見られます。 どいうことかと言いますと、弁護士などが、保護を受けたい人に頼まれて、福祉事務所に同行することが最近はよくあります。 弁護士の名刺をみて、受付の人は内心ドキッとするというより、反射的に、嫌な気持ちが起きるそうです。要するに「面倒だな」という感じでしょうか。 私たちのような支援者に対してさえも、保護を受けたい人に同行して相談室に入ると、担当のCWによっては横にいる支援者を徹底的に無視したり、目を合わせないようにします。 この手のCWに共通していることは、CWとしての福祉職そのものを忌み嫌っているか、或いは、CWとしての力量に自信がないことだと思います。 もっとも、CWの中には、ホームレスだけでなく、ホームレスを支援するような人も「ロクな人間ではない」と思っている節もあります。 しかしながら、CWの中には、支援者が木目の細かいフォローをするとの条件で、格別な処遇をしてくれる場合も結構あります。 例えば、知的障害や精神障害などで、聞き取りに膨大な時間を要する要保護者に対し、支援者が予め正確な情報提供書を提供して、CWの手間を省くようにすることなども、極めて有効なフォローになり、自然に官民一体の支援体制が構築されることがよくあります。 さて、話は戻りますが、弁護士が警戒される理由は、俗な表現を使うなら、CWにとって誤魔化しが効かないからです。 窓口に来た人が、福祉行政について何も分かっていなければ、窓口の担当は、「生活保護はそんなに簡単に受けられるものではありません。まだ、あなたには出来ることがあるはずです。もう一度頑張ってみてください」というようなことを難しい行政用語を巧みに駆使して追い返す「水際作戦」を使います。 いわゆる、「水際作戦」と言われる行政のこの得意技を使われると、勇気を振り絞って窓口に来た生活困窮者は、言い返す言葉が見つからないままに、肩を落として福祉事務所から出て行く、というような風景は福祉事務所では日常的に見受けられます。 しかし、もし、当事者が保護の要件を満たしているのに、追い返されたとすると、窓口の相談員が巧みな話術で誤魔化しをしたか、少なくとも、福祉の理念から乖離した不親切な対応をしたことになります。 ところが、相手が弁護士となると、そのような誤魔化しはいっさい効かなくなります。下手すれば、生活保護の申請権の侵害ということで訴えられてしまいます。 そもそも、生活保護の申請は、法律的には、任意の書類でもよく、或いは、口頭でも申請したことになります。役所はその申請をとりあえず受理しなくてはなりません。 役所に行きたくない場合は郵送でもよく、例の派遣村ではファックスで片っ端から申請したようです。 役所としては、受理すれば審査をしなくてはならず、膨大な手間がかかりますので、出来れば、申請させないように「水際作戦」に精を出すことになります。 福祉事務所の得意技の「水際作戦」に対抗する為の、法律家の得意技が「行政不服審査請求」であり、それで決着がつかない場合は裁判にまで持ち込んでしまいます。 弁護士による生活保護関連の裁判は過去に数多くあり、一つ一つの勝訴がそれぞれの判例として、その後の保護行政の改善を推進してきたという歴史があります。 さて、この両者の得意技が激突した場合ですが、勝負は実は最初から法律家の勝ちに決まっています。 何故かというと、法律家は生活保護法に基づき、何条、何項にこのように書かれているので、その通りにして下さい、と言っているに過ぎません。 一方、行政側としては、そんなことは分かっているけど、実際には運用現場ではその通りに出来ないいろいろな事情があって、多かれ少なかれ、法からは乖離しているという事実があるから決定的に不利な立場に置かれています。 よって、最初から勝負にはなりません。だから、「福祉事務所は法律家に弱い」ということになります。 福祉の職員で、熱心な人ほど、「所詮、100%実施することの出来ない法律が恨めしい」なんて聞かされることもあります。 さて、先日のことですが、豊島の福祉事務所でのことでした。 私はアパートでの居宅保護を希望する路上生活者に同行して、CWと交渉していました。 CWは、「アパートでの居宅には、普通は1ケ月から3ケ月間程、施設でのご本人の生活をみさせてもらい、それからアパートへの転宅をお願いすることになっています」 私は、「それって、ちょっとおかしくありません。法律家が同行すると、すぐにアパートに入れて、私たちのように、保護を受けた後も、当事者が自立出来るようにコツコツとフォローしている地元の支援者に対しは、ハードルを高くするのは納得出来ませんね」と抗議しました。 すると、CWはこれはまずいと思い係長を呼んできました。 係長が出て来て、「私のところは法律家が来ても、『てのはし』さんが来ても、そのような差別は絶対にしていません」というではありませんか。 私は、「ちょっと待って下さい。私たちと法律家のグループとはいつも情報交換しているので何でも分かっていますよ。法律家が同行した場合では、申請して2週間以内に保護を決定し、その3日後にアパートへの転宅費用を支払うようケースが随分あるじゃないですか」と問い詰めて行きました。 すると、係長は、「弁護士でも『もやい』さんの場合でも、不服審査の申し立てをされているケースもあり、何でもかんでも受けているわけではありません」と言い張ります。 係長は、一生懸命論点をすり替えようとしていました。そして、大きな声でまるでテーブルを叩くような勢いで迫力がありました。 私はその係長(女性)の必死なパフォーマンスをみながら、「やはり、保護課の係長になるような人はすごいものだ。このくらいの気合がなければ貧困の最前線の鬼軍曹は務まらないな」とすっかり感心して聞いていました。 そして、なりふりかまわず職務を貫こうとする係長に好感を持ってしまいました。 私が若く、人生経験がまだ甘い時期であれば、このような場合、自分も興奮して「嘘つかないで下さい。それなら証拠を持ってきましょうか」ぐらいの流れになったものと思います。 しかし、年老いた今はまるで海に漂うクラゲのようにフワフワになってしまいました。 私の最大の弱点は、相手が敵であれ味方であれ、すぐに相手の立場にたってしまうことで、これではケンカが成立しません。 今回の係長の態度は、役所の立場を通すために、嘘でも屁理屈でもいいから言い通す必要があったと思います。自分が同じ立場であればきっと同じことをしたと思います。 そう思うと、「係長も大変だな」と同情し、怒るような感情は湧いてきません。 ということで、私は適当なところで、「係長、まあ、いいですよ。分かりました。要するに、法律家であろうと『てのはし』であろうと扱いは全く同じだということですね。これからもその通りにしてくれればいいですよ」と言って引き上げてきました。これって、すごく「大きな収穫」です。 もっとも、私としては、話の本筋であった、居宅保護に関してですが、長く野宿生活をしていた人に対し、アパートでの自立が出来るかどうか一定期間、様子を見るという行政のスタンスは当然と思っています。 余談ですが、係長とのバトルが終わったあと、穏やかな表情に戻った係長は別の話を言い出しました。 「今の若いCWはどうしても経験不足で精神に障害がある方への対応がうまく出来ていません。精神を病むと思われる方へ下手な言い方をすれば人権問題として非難されたりして役所としては困惑することが多いのです。このような分野でぜひ『てのはし』さんの協力をお願いしたい」というような趣旨でした。 どうして、『てのはし』と精神障害者を結びつけてきたのかは分かりませんが、『てのはし』には精神科医が二人もいることや、障害を持つホームレスの支援に力を入れていることを十分に認識しているようでした。 「てのはし」の精神科医の森川さんが「ボトムアップ・プロジェクト」という事業を立ち上げました。 この事業の趣旨は、路上生活者と精神障害との相関関係を医学的に研究し、拠って、ホームレス問題の改善に寄与しようという画期的な試みです。 折りしも、「世界の医療団」という世界的な規模のNPOが、「路上生活者とメンタルヘルス」に興味を持ち、「てのはし」との協働の話が具体化しつつあるようです。素晴らしいとだと思います。 さて、すっかり話が飛んでしまいましたので、副題に戻って「福祉の窓」を閉めたいと思います。 最後に、一言。 今の豊島の保護行政は素晴らしいと思います。 この状態がいつまで持続するかは分かりませんが、少なくとも、今のままなら 弁護士なんかそれほど怖くない状態だと思います。 もっとも、その分、一人ひとりの職員の負担は大変だと思います。 今の福祉事務所は保護件数は去年の倍以上ということで、大混乱です。 先日も、失踪した人を探しに夜の池袋に行きましたが、夜の10時でも生活福祉課は赤々と電気がついていました。昼間は被保護者への対応で忙殺されて書類の整理がつかず、残業するしかないそうです。 今年の3月に厚生労働省から「通知」が全国の福祉事務所に出されています。 その中には、増える困窮者への対応を充実させるために、福祉事務所の受け入れ体制を強化するよう書かれています。 また、その為の、人件費を国が100%持つと書かれています。 しかし、国による人件費負担は一定の期間に限られているため、自治体はおいそれと人員を増やすわけにはいかないそうです。 何故なら、一定期間が過ぎたら、増やした人件費の負担は自治体に戻るそうです。 そうなると、二階に上って梯子をはずされた状態になり、ただでさえ、税収入が落ち込んでいる上に、人件費という財政負担が自治体に重くのしかかってくるのが怖いそうです。 悲しいかな、豊島区は都内23区でも貧乏三羽烏の一つです。 去年は不況のあおりで税収が2億円も減ったそうです。 実は、私は豊島区の住民であり、貧乏区になるのは住民が貧乏で十分な税金を払わないからですが、正に、私のような貧乏人がゴロゴロしているせいですね。トホホ・・・・
by tenohasi
| 2009-05-02 09:52
| 福祉の窓
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