大都市には、いわゆる「日雇いの街」と呼ばれている地域があります。
大阪の釜ヶ崎(あいりん地区)、名古屋の笹島、横浜の寿町などがあり、
東京では山谷(さんや)と呼ばれる地域がそれに当たります。
4月1日にTENOHASIのスタッフが企画した、関係者及び貧困問題に関心のある
人向けの「山谷見学ツアー」が行われました。
ちなみに、山谷というのは地名ではありません。地名で言うと、台東区日本堤を中心とした
一帯を山谷と呼んでいます。
山谷で長年支援活動をしている方のガイドで、南千住駅を出発し、「日雇いの街」に
縁のある史跡や場所を巡りながら、山谷を目指す約3時間のツアーでした。
江戸の町づくりには多くの人がかき集められました。身分に階級のある時代、
いわゆる「被差別階級」に位置づけられ、強制的に働かされた人たちが
生活していたのが山谷の原型となりました。
ちなみに、山谷から遠くないところには、遊郭で有名な吉原があり、
身売りされた女性が送り込まれました。
三ノ輪駅を通り過ぎ、明治通りを渡ると日本堤に入ります。
そして、路地に入ると雰囲気が一変します。
道路上で豪快に昼寝をしている人を何人も見かけました。
そして、コインロッカーが何件もあったのですが、
これは、ドヤ(1泊2000円位で3畳程度の簡易宿泊所)は狭すぎて
荷物が置けないために、利用する人が多いためだそうです。
山谷という地域は、なかなか言葉で表現するのが難しいのですが、
「生きることって?」「お金とは?」など、考えさせられることが数多くありました。
(明治通りから見るスカイツリー)
山谷に生きる人たちはどのような思いで眺めているのでしょうか。