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4月9日朝日新聞夕刊に

今日の朝日新聞夕刊の記事です。
ネットでは有料なのですが、テキストだけ貼り付けます。
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新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、路上で生活する人たちまで支援の手が届かないことを心配する声があがっている。マスクは手に入らず、炊き出しを中止する動きも。景気が悪化し、職や住み家を失う人が増えかねないとの懸念も高まっている。

 4月初旬の夕方、東京・隅田川沿いの公園で段ボールを敷いて座り込んでいた60代の男性は、くすんだ色のマスクで口元を覆っていた。1カ月前に、支援団体からもらった2枚のうちの1枚という。「次はいつ手に入るか分からないから、大事に使わせてもらっているよ」

 手元のラジオからは、感染の拡大やマスク着用の必要性についての情報が繰り返し流れてくる。しかし持っているのはほかに、路上で拾った2枚のみ。公園の水道で毎日、せっけんを使って洗っているという。「こういう立場だけど、世の中でみんな気をつけているときだし、自分も気をつけたい」と男性は話す。

 一方で、マスクを着けない路上生活者も多い。マスクはなかなか出回らず、同じ公園にいた70代の男性は1枚も持っていなかった。「着けていると、息苦しくなっちゃうし」

 ■配布数に限り

 支援団体もマスクを配っているが、数には限りがある。東京・池袋を拠点に路上生活者を支援する特定NPO法人「TENOHASI」と国際NGO「世界の医療団」でも、3月中旬から生活困窮者1人につき3枚のマスクを配ってきたが、いまは1枚ずつに絞っているという。

 安倍晋三首相は1日、布マスクを全世帯に2枚ずつ配ると表明。マスク不足対策として「極めて有効」と強調するが、ポストに届ける方法では、特定の住所を持たない路上生活者やインターネットカフェで寝泊まりする人たちは受け取れないと懸念されている。

 TENOHASIの清野賢司事務局長は「感染拡大は長期化しそうなので多くのマスクを配っていきたいけれど、我々も新規の確保は難しい。足りなくなってしまわないか心配だ」とこぼす。

 生活困窮者を支援している一般社団法人「あじいる」の代表で、内科医でもある今川篤子さん(56)は、路上生活者が集まって寝ている地域もあり、集団感染のリスクにも注意が必要だと指摘。「ホームレスの方は感染しても気づかれにくい。持病を抱えている人も多く、感染すると急速に重篤化する可能性がある」と懸念する。

 ■「頼みの綱が」

 感染のリスクがあることから、多くの人が集まる炊き出しを中止、縮小する動きも出ている。隅田川沿いの公園では、週1回の炊き出しが3月末からなくなった。「頼みの綱だった」という男性は「これからどうなるのか、腹だけじゃなく精神的にもきつい」と吐露する。

 7日に緊急事態宣言が出たことで営業自粛が進み、ネットカフェなど身を寄せる場所が少なくなっていることも問題だ。

 東京・池袋で路上生活をする男性(60)は冷え込む夜間、ファミリーレストランで過ごしていたが、深夜営業がなくなった。8日夜、池袋駅近くの公園で支援団体からおにぎりとパンを受け取り、「これから、どこで寝泊まりすればいいのか」と話した。

 「あじいる」の今川代表は「新型コロナウイルスの影響で景気が悪化し、誰もが生活困窮者になりえる。ひとごとにせず、差別なく支援することへの理解が広がってほしい」と話す。

 住まいを失う人が急増することを懸念して、生活困窮者支援をしている6団体は3日、東京都に対し、居どころの確保といった支援の強化を要望。都は住宅やホテル計約500戸を一時的に提供する費用などとして、計12億円を補正予算に盛り込んでいる。(大山稜)




by tenohasi | 2020-04-09 23:49
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