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「ピーマンは臭くて辛い。しかしこの臭くて辛いところが人に好かれる。人間も欠点で人に好かれるようになったら一人前だ。」(中野善英上人/浄土宗) 私もこの言葉のように、そうありたいと思って生きている。しかし、なかなかうまく行かないのが人生というものかもしれない。多分、私のことを「いやな奴だ!」と思っている人が、きっと私の人間関係の中にも、沢山いるに違いない。自分が思っている自分の嫌いなところを、出来れば直したいと普通は考える。そこで逆転の発想をしてみる。他人が自分に対して思っている欠点、又自分が思っている自分の欠点を、まずは自分から好きになるよう努力する。 反対に私もそういう目で、自分の周りにいる人々を見てあげることができたら、好きな人が沢山増えるのではないだろうか?自分のことも好きになってくれるかもしれない? 「他人の欠点を嫌うのではなく、好きになってあげることが出来たらと」そして「自分の欠点も嫌うのではなく、自分が好きになることが出来たらと」 私個人のことはさておき、この言葉は団体にも通じるのではないかと今日の朝、寝ぼけた頭の中で思い出し、考えながらT区役所に向かった。したがってこの文章の全体イメージが出来ていないうちに、いきなりパソコンの前で書きだしている。多分まとまりのない文章になると想像できますので、ご勘弁ください。 TENOHASIも、欠点や不足だらけの弱小団体である。まず金がない、ということは金を集める能力が低い。金がないから事務所を、自力で持つことさえも出来ないでいる。色々な他団体や個人の、物資/物心両面の支えがなければ、活動を維持することはかなわない。それに加えて、組織を運営する為に必要なスキルを持った人材が不足している。 したがって組織も弱小であると同時に、組織をコントロールする力も弱い。団体メンバーも方向性はバラバラ、レベルもバラバラ。メンバーの色々な、無方向の思いが一つになり、バラバラのままにエネルギーを生み出しながら運営されてきた。効率性を求め、利益をとことん追求する組織の中で、長年生き抜いてきた私の世界の価値観からすると、欠点だらけの団体。 経済競争の世界だったら、間違いなく「ワンクール倒産!」 こういう言い方をすると誤解を受けるかもしれないが、TENOHASIに方向性は必要ない。メンバーのレベルも求めない。方向性を求めると、方向性に対する排除が始まる。能力レベルを求めると、能力レベルに対する排除が始まる。 こういう無方向の、あらゆる年齢層を含む全方向の広がりが、TENOHASIの欠点であるとともに長所でもある。色々な方向性の人間が、ごく自然に場の雰囲気を作りだしている。 また違う言い方をすれば、様々な音色を持つ人々がオーケストラの様に響き合い、心地よい空間を生み出してきた。過去に多少の不協和音が出たことはあったが、活動の流れの中に吸収された。 右を向いている人間もいれば、左を向いている人間もいる。又、前を向き明るく生きている人。何故か元気なく後ろを向いている人。晴々と空を見上げている人。地面を虚ろに見つめている人。一所懸命生きれば生きるほど、仲間との軋轢を生み出してしまう人。年々加速していく社会のスピードについていけず、置き去りにされている人。又そういう生活にうんざりしている人。そういう様々な生き方の音色を発振する人達が社会にはいる。 そのすべてを、否定せずに受け入れていく。響き合いそうもないものを響き合わせる。 そういう意味では、団体に必要な人材を、計画的に集めた訳ではない為、良い状態で響かせる環境を作ることが、とても難しい団体とも言える。コントロールを間違えると、すぐに不協和音が出始める。団体の統一的な意思決定は、全員参加型の自治であり、少数者の決定を多数者に強制する統治とは違う。バラバラの団体を統治ではなく、自治方式によって決定していくのは、事務局の中心メンバーにとって、さぞや難題であろうと察する。 私たちが何気なく普通に使っている、一見よく似た言葉に共存と共生がある。 共存とはそれぞれに独立した主体が、ともに生きていくこと。しかし独立した主体との間には距離があり、お互いに相手の存在を認めてはいるが、同じ生活空間にはいない。 共生とは関係の中にある未完結な人間同士が、相手を必要としながら生きていくこと。同じ生活空間にいて、対等の関係の中で支えあっている。 私はTENOHASIは共生を目指す団体と理解している。いや共存を目指すと考えている人がいても良い。あるいは二つの組み合わせ。少なくとも、相互に敵意と不信とを生じさせ、人間が他人を利用し搾取し、不健康で情緒的に不自由な社会でなければ良しとしよう。 あるいは発想を少しジャンプさせて、老子のように「無為無欲」な自然な存在になり、自然との調和の中で支えながら生きる社会。それは私の個人的な理想社会の話ではありますが。 こんな団体なのだが今迄、団体の創立以来残って活動を支えてきた人達は、みんなTENOHASIの欠点が何故か好きである。実は私もそんなTENOHASIの欠点が大好きです。いつもは文句を言ってはいますが!例えが適当ではないと思いますが「クサヤやホヤ」のようなクセのある食べ物が好き、というような感じに似た気持ちがあるかもしれない。多分この文章を読みながら「それは違うだろう!」とパソコンの前で、酒を飲んで叫んでいる人が、いそうな気がする?もし、そういう方がいらしたら、コメントをください。 そういう人達が継続してきた団体が、最近組織の体力や能力を超えて、広がりをみせ始めているように感じる。とても嬉しい事であり、歓迎すべき事ではあるが、少し戸惑いもある。欠点は欠点で残したまま、力を抜いて自然に広がっていきたいものである。 臭いのないクサヤは、クサヤではないですからね!クサヤの場合は好き嫌いが、はっきりと分かれると思いますが、これは単なる例えという事でご理解ください。私は酒飲みなので、つい酒の肴を例えに使ってしまいました。クサヤの臭いが漂う、臭い文章になってしまいました。皆さん御免なさい。 「 ピーマンが、巨大ピーマンや欠点のない高級野菜にならないように願って」 (路上のコラムニストX)
by tenohasi
| 2007-01-29 13:27
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